コラム

三次元測定機で「幾何公差」を正確に測るには?同軸度・円筒度の測定におけるよくある課題と解決策

なぜ今、現場で「幾何公差(GD&T)」の測定が壁になっているのか?

近年、製造業において「幾何公差(GD&T:Geometric Dimensioning and Tolerancing)」による図面指示が急速に普及しています。部品の機能要件が高度化し、グローバルでの設計・製造の分業が進む中、単なる寸法(サイズ)だけでなく、「形状」「姿勢」「位置」「振れ」を厳密に定義する必要があるからです。

しかし、この図面の高度化に対して、検査現場が追いついていないという声が多く聞かれます。従来のノギスやハイトゲージといったアナログ測定器では幾何公差を正しく評価することは不可能です。また、三次元測定機を導入していても、測定者のスキルへの依存度が高く、「人によって測定結果がばらつく」「データム(基準)の設定が正しくできていない」といった課題が頻発しています。結果として、要求された幾何公差(特に同軸度や円筒度など、立体的な評価が必要な項目)を正確かつ効率的に測定することが、多くの製造現場で大きな壁となっているのです。

単一センサー(プローブのみ、画像のみ)で幾何公差を測る際の限界

幾何公差を正しく評価するためには、図面で指示されたデータムを物理空間上に正確に構築し、その基準に対して対象となる形体の偏差を測定しなければなりません。ここで問題となるのが、プローブ(接触式センサー)のみ、あるいは画像(非接触式カメラ)のみといった単一センサーによる測定の限界です。

プローブ(接触式)のみの限界

プローブによる測定は3D形状の取得に優れていますが、データムとなる平面や円筒を構築するために多数の打点が必要です。測定に多大な時間がかかるだけでなく、微細な部品や薄肉部品の場合、測定圧による変形で正確なデータが取れないという課題があります。

画像(非接触式)のみの限界

画像測定はエッジの検出や全体像の把握を高速で行えますが、本質的に二次元の投影データに基づくため、Z軸(深さ方向)の精密な測定や、円柱の円筒度、同軸度といった三次元的な幾何公差の評価には不向きです。

単一のセンサーでこれらを無理に測ろうとすると、精度の低下やタクトタイムの増大を招きます。
立体的な幾何公差については、平面度、粗さ等、一部は非接触で測定可能なものの、プローブ使用が標準的です。

複雑な幾何公差を正確・高速に測る解決策

高度な幾何公差の要求に対して、精度とスループットを両立させるためには、測定機のアプローチそのものをアップデートする必要があります。

複数センサーの統合(マルチセンサー測定機)

画像とプローブなど、複数のセンサーを1台のシステムに統合した「マルチセンサー測定機」の活用です。

このアプローチの最大のメリットは、各センサーの強みを最適に組み合わせられる点にあります。例えば、部品の輪郭や基準となるデータム平面を「画像」を用いて一瞬で非接触取得し、全体座標のセッティングを行います。その後、円筒度や、奥まった位置にある面の平行度など、三次元的な立体公差の評価が必要な箇所にのみ「プローブ」をアクセスさせます。

真直度、真円度、線の輪郭度、平行度、位置度、同心度といったフォーカス回数を要しない測定は、画像測定が圧倒的に容易かつ早いです。平面度のような採取点数が多い場合は、レーザーや白色光スキャナーを用いると短時間で測定できます。ただし、測定スポットサイズが小さい為、「粗さ」も拾う事になりますので注意が必要です。

接触、非接触センサーの両方を具備する為、測定仕様に柔軟に対応可能、且つ測定タクトタイムも最小化できます。

複雑な幾何公差の測定課題を解決するために

図面指示の高度化に伴う幾何公差の測定は、もはや従来のアナログツールや単一センサーの延長線上では解決が難しくなっています。マルチセンサーによる「高速かつ正確なデータム構築」が測定現場のボトルネックを解消し、品質保証の信頼性を高めるための強力な一手となります。

「マルチセンサー測定機」による測定ソリューションの詳細な仕様、および具体的な導入効果をまとめた製品カタログをご用意しております。現場のタクトタイム削減や測定精度の向上に向けた情報収集として、ぜひ下記のリンクより資料をダウンロードしてご活用ください。

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また、「自社のこの複雑な図面指示はどう測るのが最適か?」「現在の測定プロセスの見直しを図りたい」といった具体的なお悩みにつきましても、専任の技術スタッフが個別にご相談を承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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